★今年の夏の異常高温 ・・・ 報道では、盛んに、「特に太平洋高気圧とチベット高気圧が、今年は非常に強く発達したが、その背景に地球温暖化がある」と言っている。
・・・例えば以下にリンクの読売オンライン報道:
◆ 私も、勿論、地球温暖化がその要因の「一つ」になっていることはそうだろうと考えるが、高気圧の発達の要因をもっと網羅的に解説報道しないと、バイアス報道になる。
【1】今年の太平洋高気圧の発達の要因は、以下であろう:
 主因は赤道海域の海水温の異常上昇だが、それが何で起こっているかまで書かないといけない:
1) ラニーニョ:赤道付近の貿易風の影響で、海流がサイクル的に変化し、地球の海は、いつもエルニーニョ、ラニーニョのサイクルを繰り返しているのは周知だろうが、今年は、ラニーニョが発生。ラニーニャのため、太平洋の赤道西部の海水温が上昇し、対流活動が活発化。これが太平洋高気圧を北に張り出させる原因。・・・その海水温の上昇に、地球全体の温暖化が加わっている。
2) インド洋西部の海面温度が高い「正のダイポールモード現象」:
これは昔からの、数年ごとに発生する海水温の短期的な変動現象。
・・・そして、以下の読売にも書いてあるが、この太平洋高気圧に、チベット高気圧が加わった。チベット高気圧は、ラニーニョの影響でフィリピン海域の海水温が高くなったことに起因するから、同根の問題だ。
【2】日本では、偏西風と黒潮の蛇行の変化が日本周辺の海水温の異常上昇をもたらしている。
・・・これは前から何度も書いてきた。上記の二つの蛇行の変化で、日本の周囲の海水温は数度も上昇しているのだ。
・・・これが異常高温の気温と積乱雲や線状降水帯などをもたらす。
・・・読売記事にもあるが、梅雨がカラ梅雨で、海水が太陽で熱され続けたこともある。
◆以上の通り、地球温暖化だけではないのだ。
・・・ただし前に書いたとおり、東大の先生などが行った分析で、「地球温暖化なかりせば、近年の異常気象はなかったはず」という統計的有意差での主張が報道されているので、いよいよ地球温暖化こそが「主犯」イメージになっている。
・・・上記の「極端気象アトリビューションセンター(WAC)」の分析結果で報道されたことは「今年の6月16〜18日の日本上空約1500メートルの平均気温は17.2度と1950年以降で最も高かった」ことの原因分析で;
①『人為的な温暖化が異常気象の発生などに与えた影響を定量化する「イベント・アトリビューション」と呼ばれる技術で分析した。その結果、上空約1500メートルの気温が今回の17.2度を上回る確率は6%と、約17年に1度の頻度で発生すると推定された。』
②『一方で、人為的な温暖化がないと仮定した場合は、この確率がほぼ0%となった。太平洋高気圧の張り出しなど、高温につながる自然な気象現象が重なったとしても、温暖化による気温の底上げがなければ起こりえなかったとしている。』
・・・これ見て皆も気づくだろうが、上記では肝心の三つ目の確率の分析が欠落しているのだ: つまり③「今年の地球の基本環境であるラニーニョや偏西風と黒潮の蛇行変化と言う事象がもしなかったとして、地球温暖化だけで、日本の上空気温が17.2度に達する確率はxx%」というのが抜けているのだ。それ抜きに「やっぱり地球温暖化のせいだ」と言うのでは、全く科学的と言えないだろう。
▶ 昨日の読売オンライン: 読売

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