★前に、小泉大臣は、親父譲りのイメージで「自民農林族やJAらの古い農政をぶっつぶせ!!」なのかと思っている向きも多かろうが、実際には、自民農水族・JAの為のこれまでの農政を別に本気で改革しようということではなく、単に、備蓄米放出の江藤路線を安値で引き継いで、コメ市場の高騰の対症療法だけに集中、7月の参議院選挙における石破作戦のPRマンとして泳がされているだけと書いた。
◆ 雑誌「選択」の6月号を見ていたら、同様の主張の記事あり、それも参考に、更に以下を書いておこう。
<1>江藤大臣の頃からの「水田政策の見直しーーー増産と輸出振興」:
・1月に江藤大臣のもと、農水省は「水田政策の見直しの方向性について」を発表した。・・・従来の減反・減産に頼る水田政策は昨年の米高騰で破綻が明らかになっているので、ここからは、増産に方向転換、それに伴う余剰米の吐け口として輸出の振興をする。それにより生産規模拡大で生産コストを下げ、農家の経営を安定させる…という内容だ。
・小泉大臣も、それを単純に踏襲して、同じことを言っているだけだ。
<2>補助金利権の死守:
・日本の農業は「食の安全保障」を建前とし、兎に角零細農家の保護のための補助金まみれの政策でやってきた。毎年、2兆円近くの国費が農家の補助に投入されている。
・米関係でも、転作補助金や土地改良やら設備更新補助やらで3千億円とかの補助が出ている。その時々の看板政策は、これまでは減反・減産、これからは増産・輸出だが、看板は何でもいい、看板の下、補助金の維持が最大の政治課題なのである。
◆ 自民農林族・JAにとり、小泉が備蓄米を安売りしようが、それが自民の選挙対策になる限り、大歓迎でしかない。まさか、小泉がコメ農家の補助金の削減などと、狂ったことを言い出さない限り、英雄小泉を泳がせておくのでいいのだ。
Nat
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