★日本海側の各地の異常降雪は、大問題になってきている。images
・・・異常降雪が結構続き、更にそれが毎年続くと、対症療法的に、皆で人力で雪かきするだけの対応ではもう無理で、居住放棄地域すら出てきかねない。
・・・本来必要なのは、地域全体への融雪設備インフラである。その①で書いた通り、
・温水噴霧装置の導入
・地下融雪設備の拡張
・建物周辺の自動除雪システム
・自動融雪道路・駐車場の整備
等である。
◆ しかし、これらのインフラの大々的な導入は、個別地方自治体では予算がないばかりか、異常降雪が一時的なものか、もうそれを「新常態」と考えるべきかの「割り切り」が、個別自治体では難しい。
・・・だから、本来、日本政府が、そろそろ「異常降雪=新常態」と想定した「国土計画」を策定し推進するかを決めるべきであろう。
・・・しかし、その①から書いている通り、日本政府は、パリ協定に沿い2050年カーボンニュートラル実現という建前があるから、「異常降雪=新常態」というシナリオは、政治的に出しにくい。トランプのようにパリ協定離脱する腹は日本政府にはないのだ。
・・・そして、繰り返しになるが「万が一、人類として2050年カーボンニュトラルが全く達成されず、地球温暖化が止まらなかった場合」という場合の、「念のため」の保険的な対処として、今から雪国には融雪インフラを導入する、というのでは、保険の割には大変過ぎると言う話になる、だからできない。
・・・しかし、実際、政府の本心・本音では、かなり、人類にとってカーボンニュートラルの達成は難しいという思いがあるのではないか。
・そもそも米国・中国というCO2排出量の半分近くを出している国がやる気ない。途上国も難しい。ならば、欧州と日本だけでやってもしょうがない。
・そして、そもそもの日本が実は難しい。本命の原発が難航中。これからの期待の風力が実はヤバいという認識になってきている。なら日本はダメそう。しかし、絶対そうは言えない。ここで、大々的融雪インフラ計画なんて打ち上げたら、世界からにらまれる・・・ということになるのだろう。
・ただ、政治家の中にも、「CO2による温暖化が抑制されても、異常気象は別ものかもしれない。ならば、仮にカーボンニュートラルが出来ても、異常降雪は常態化したままかもしれない。その時に慌てて融雪インフラといっても遅いかも知れない・・・」との思いの人もいるかも知れないが、それを大声で言う人は少ない。
◆◆だから、結局、日本の異常気象への「適応策」、なかんずく異常降雪対応での融雪インフラ計画なんてのは、全く立てられずに推移するだろう。
・・・その結果、手遅れで、①居住放棄地域の多発、②運営不能で倒産・廃業の産業の発生、③社会インフラ全体の破壊、というような不可逆的なダメージが起きる地域が出るだろう。
・・・その時に誰もいなくなった町に融雪インフラを入れても、もう遅い。
◆◆ 斯く斯様に、日本政府も、そろそろ異常気象への「適応策」計画を進めるべきだろう。・・・しかし「カーボンニュートラル第一」との建前が、呪いのように覆いかぶさっている限り、それは無理だろう。 Nat

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<加筆>

 今冬の累計での降雪量としては別に異常ではなく、むしろ温暖化で減っているところもあるだろう。
・・・しかし、最近の
日本海寒帯気団収束帯:JPCZ 等 による、瞬間的な異常ドカ雪(積雪)が大問題なのだ。そのような異常ドカ雪で家も車も埋まってしまって、地域社会が壊滅という状況、そして、放っておいても溶けてなくなりもしない、ちょっと雪かきしても、また降り積もる、それが問題なのだ。その対策は、もう意を決めて、日本海は側には融雪インフラ国土計画を進めていくしかないところまで来ているかもしれないと言う問題提起をしている。

・・・異常積雪の原因が、人為的CO2増加を主因とする地球全体の平均気温の、100年に0.7℃程度の上昇が、北極の氷を溶かすなどに繋がり、本当に、それが回りまわって、日本への異常降雪になっているかどうかは、誰にも分からない。しかし、異常ドカ雪が今後とも、もう毎年に近く襲いかかる日本になった可能性は、残念ながら結構あるのでないか、という仮説に基づき、問題提起しているのだ。 〆