♪♪ NATの独り言 (心・ジャズ)

生きていく上で信じてること。大好きなジャズのこと等

2025年09月

★無責任な英仏加のP国家承認 vs まともな石破演説 ーーー その②

★更に言わせてもらう:
・・・英仏らが唐突にパレスチナ(P)国家承認したが:download
<1>そもそも、「2国家共存」を目指しながらも、長らく、Pの国家承認できなかった理由は、ひとえに、Pが国家の体をなしてないからだ。
・ヨルダン西側に陣取るP自治政府(ファハト主導)は、長らく、アラブ諸国から得てきている膨大な支援金を皆で寄ってたかって自分のポケットに入れる腐敗の限りを尽くしてきた。
・そのようなファハトに反発して浮上してきたのが、ハマスではないか。・・・2006年の選挙で、ハマスが地滑り的大勝利。そしてファハトとの軍事衝突を経て、ガザ地域をハマスが支配するという内乱状態になったのだ。
・Pで、ヨルダン西側にいる自治政府は今でも腐敗を脱していないし、ガザにいるハマスはテロ集団である。2006年から一回も国としての選挙は出来ていない。
⇒ これでは国家として承認のしようがない、というのが、これまでの国際社会の標準であったのだ。
<2>しかし、ハマスのイスラエルへの特攻、イスラエルのガザへの逆襲の激化の結果、いよいよPの「国」としての体は更に崩壊、このままでは、「国家承認」の前に「P消滅」になりそうとの危機感が出てきた。
・・・そこで、英仏は、逆説的に、ここで消えつつある「P国家」を唐突でも承認する奇策に出たのだ。
・・・これまでは、Pの自治政府が腐敗を撲滅し、統治力を高めるのを待って承認しようとしていたが、このままでは、Pそのものが消えてしまいかねない、なら、全く象徴的であり形骸的であるが、一気に「承認」することで、実態が後から伴ってくることを期待しようという、無責任の極みの話しだ。
◆これに対して、トランプ米国は、もち論、先に承認などは最悪としつつ、20項目の具体的な状況打破策を提案している。・・・
ガザからのハマス排除、人質全面交換、ガザの暫定統治機構(P人中心)、平和維持部隊の組織化(アラブ・イスラム諸国が支援)などだ。
・・・米国はイスラエルの徹底擁護であるので、その点は日本政府とは異なるが、概ね、上記は日本政府の路線でもある。
・・・英仏も、上記に類似のことは言ってきているが、今般、そういう現実をなげうち、これまでの承認への前提条件も一旦忘れて、一気に見切り発車的に「国家承認」をした。それは、やはり悪手中の悪手であろう。
・・・結果、イスラエルを更に硬化させ、消えゆきそうなP国は更に消えそうであり、承認の希望は余計に遠のいたと思う。
・・・しかも、英仏首脳がそれに踏み切ったのは、トランプ路線とは一線を画した「大胆な路線」に見えることを打ち出す政権であることを、英国、フランスの国内に見せたいがためとしか思えない。結果的に却って承認が遠のくかどうかは誰にも分からない、なら、自分らの国内の恰好付けを優先しようというのが本質であろう。
・・・残念無念だ。

・・・日本でも、英仏などの「無責任、いい恰好ごっこ」に倣えという人もいる。残念無念だ。
   Nat

★無責任な英仏加のP国家承認 vs まともな石破演説

★英・仏・加のパレスチナ国家承認
・・・先日から「却って事態を悪化させる悪手」と書いてきた。その繰り返しになるが、改めてそう書きたい。
◆ 今回の9月の国連総会の決議(米・イスラエルだけは反対)でも謳っている通り、パレスチナ問題の究極の解決は「ニ国家共存」の型でしかあり得ないのは、その通りである。
・・・しかし、それは「二国家の ”平和” 共存」を意味するのであって、”対立的” 並存ではない。
◆ところが、英仏加は、イスラエルがハマス殲滅の為のガザ武力制圧アクションを一段とエスカレートし、飢餓が進み、子どもらの命が更に失われるのに対する「実力行使」的な阻止運動のつもりなのだろう。ずっと保留していた「パレスチナ国家承認」カードをこのタイミングで切ったのだ。
⇒  しかし、しかし、しかし、その結果はどうだろう?
・・・英仏加は、このカードが、蛮行をエスカレートするイスラエルへの国際的な大きな圧力になり、蛮行を阻止するのに役立つという論理で、承認カードを切ったのだが、蛮行の阻止には全く繋がっておらず、却って、イスラエルを激しく態度硬化させただけだ。
・・・イスラエルはガザの作戦を全く緩めないところか、英仏加への返り撃ちとして、ヨルダン川西岸の侵略的入植を拡大する宣言をした。・・・トランプ大統領が慌てて、それは絶対ダメと言わざるを得なかったほどだ。
・・・二国家の”平和”共存に向かおうとすべきものが、二国家の”対立的”並存の状況を余計に露わにさせてきているだけだ。
・・・このように、英仏加の承認は、火事にガソリンを注いだようなものだ。
・・・そして、それにも拘わらず、英仏加の各政権が、何故、そういう政治的アクションを採ったのかというと、各国国内に親パレスチナ勢力、アンチイスラエル勢力の声が結構強いのだ。政権として自分らのそれへのサポートの旗幟鮮明にする政治的ジェスチャーをしたかったのだ。・・・それが対立に火を注ぐだけと分かっていても、そう自らの国内政治のために、そうしたかったのだろう。
◆一方、石破首相の国連演説、夜中の10時に日本語でやったからもあるが、聞いていた聴衆はわずかであったようだが、私は石破ファンでも何でもないが、英仏加の無責任な承認宣言より、はるかにマトモであった。
・・・石破演説は、皆同様、二国家解決こそが目指すべきものであることから始めている。・・・そして「「二国家解決」の前提を揺るがしかねない、極めて深刻かつ憂慮すべき局面」であるとしている。そして「イスラエル政府高官から、パレスチナの国家構想を全面的に否定するかのごとき発言が行われていることには、極めて強い憤りを覚えます。」から始めている。
・・・その上で、英仏加の国家承認に関連しては、日本の立場を以下の通り述べている。
▶ パレスチナ国家承認は、「国家承認するか否か」ではなく、「いつ国家承認するか」の問題。
▶ そして、その前提として
①パレスチナは今は責任ある統治体制を構築出来てないが、構築されるべきこと
②ハマスは「人質をただちに解放し、武器をパレスチナ自治政府に引き渡すこと」
・・・であることを明確に述べているのだ。
・・・そして更にパレスチナの国作りへの貢献を提案している。
・・・英仏加が唐突且つ無責任にパレスチナ国家承認を叫び、イスラエルを激しく怒らせ、対立の火をいよいよ燃え上がらせただけだったのに対して、石破首相の主張は、私の主張とも通じる極めて良識的かつ適切なものだったと私は思う。・・・殆ど誰も聞いてなかったのだが。  Nat

★人類の歴史に逆行アガキをするトランプ ----その②----米国を利した戦後体制の破壊

★昨日、医薬品への高関税等で、トランプは、米国がその頂点に立って構築してきた先端ITや高度医薬品のグローバルサプライチェーンを強引に捻じ曲げてでも、国内製造への回帰を、MAGA信者にアピールしようとしていることを書いた。
・・・しかし、トランプが、捻じ曲げようとしているのは、それに限らない。米国がWWII戦後に世界に構築してきた、米国を頂点とする体系、米国を利し続けてきた体系を、MAGA信者受けのために、壊そうとしているのだ。
◆ 【戦後に米国が構築し、米国を利してきた西側の体系】
・・・終戦後の世界で、浮上し君臨したのが圧倒的な軍事力と経済力をもった米国である。
<1>米国はその軍事力で、西側世界の安全保障のかなめ役となり、「パクス・アメリカーナ(アメリカによる平和)」を構築、かつ、いわゆるブレトンウッズ体制と言われる「ドル基軸体制」を構築、武力とドルで西側の覇権を握った。
①ブレトンウッズ体制:戦後の世界経済の安定的復興・拡大のため、金にリンクしたドルを基軸とし、諸通貨を固定為替レートでドルにリンク、通貨を安定させた。更に、IMF・世銀・GATT(のちのWTO)などと言う、今のトランプの大嫌いな国際機関も米主導で創設。米国とドルを土台にした経済協調と自由貿易の拡大で、資本主義国の経済発展を支えたのだ。
・・・しかしこの体制の最大の受益国は仕掛け人の米国自身であった。発行を自国で制御できる自国通貨が国際決済通貨となるという例外的な特権地位を得た。その結果、国際収支赤字が許容される地位、更に、世界の金融体系を支配する地位を得た。
② それを支えるのが米国の武力だ。即ち、西側の安全保障を米国の武力がかなめとしてサポートする仕組みが、ドルベースの世界経済を支えてきたのだ。
・・・当然米国の武器が西側世界に供給されるし、西側諸国は、いざという有事の際、西側に物資が優先供給される安心感と共に、盟主米国の覇権についていったのである。
③ 更に米国は上記のIMF・世銀・GATTなどを西側に「米国流のルール」を押し付ける土台として活用した。民生の技術でも米国技術が西側標準となり、更に知的所有権や投資ルールでも西側を支配していく。
・・・このように、戦後のダントツ大国の米国の利益を大きく支えてきたのが、米国の武力覇権とブレトンウッズ体制であった。
<2>その後、ベトナム戦争の巨額の出費をきっかけに、米国は財政赤字とインフレ状況に陥り、ついには、ニクソンショック(ドルの金兌換停止)、更にはレーガンの頃のプラザ合意でのドル高是正などを経て、ブレトンウッズ体制は変わってきたが、ペトロドラーの広がりもあり、世界経済がドルで回る基本的体制は変わらないで続く。
・・・更に、ソ連との冷戦で、米国覇権の安全保障体制が西側の自由主義体系を守るという構図も、1990年のソ連の崩壊で、それまでの「対ソ封じ込め」から、より多様で複雑な脅威に対抗するための体制に意味は変わってきている。ロシア、イラン、北朝鮮、そして、中国。更に単なる越境武力侵攻のみならず、サイバー戦まであるのが現代だ。しかし、基本的に、西側では今でも米国が軍事覇権を握り西側の安保体制をリードすることには変わりはない。
・・・・欧州でNATOを通じて西側欧州各国が米国の同盟国になっていること、極東でも、日本、韓国、台湾がそれぞれ形式は違うが、米国「傘下」の体制にあること、これは、今や中国という巨大供給源を絡めながらも、米国が多くの場合に頂点に立つサプライチェーンを西側主導で維持している現在の体制の基本中の基本になっている。・・・米国が、欧州、極東への軍事関与を大きく減らし、欧州が米国から自立し、また、日本・韓国・台湾が中国の影響力の下に入ってしまった場合、従来の米国が主導してきたサブライチェーンや金融体系などの維持は困難になり、米国経済にとり大きなマイナスになることは必定であろう。
◆ 【しかし、何事も目に見える「お金」だけで考えるトランプ】
<1> 西側世界において、米軍が安保のかなめ役をしてきたのは、米国にこそ最大のメリットがあるからであることは、既に書いてきた通りだ。欧州や日韓に米軍基地があるのは、米国が望んでそうしてきていることだ。
・・・しかし、その為に米国のドル発行能力を持ってしても、支えるのが難しいほど米国の軍事支出が肥大化してきているのは事実だ。だから、本来は、世界安保版のプラザ合意のように、世界の軍事・安保体制における、米国と西側諸国との分担の再調整など、西側全体で協議して行っていく段階にきている。
・・・しかし、しかし、トランプは多国間協議を好まない。そして、彼は「西側各国に米軍の機能を幾らで売れるか?」との「請求書主義」観点でしか安保体制を見ないのだ。これまで米国が享受してきた、米国の武力リーダーシップの見返りでの米国への多大へメリットについては、取り巻きから説明はされているのだろうが、彼はピンとこない。というか、そういう話は、MAGA信者には殆ど理解され得ない。なら彼には意味ないのだ。M
AGA信者には、欧州や日本の米軍の「利用料」として幾ら欧州や日本からお金を巻き上げたか?という話しししか受けないのだ。
<2> 国連・IMF・世銀・WTOなど米国が構築し、米国が一番メリットを享受してきた国際体制は、確かに複雑化する世界の問題解決への能力を落としてはきている。しかし、それをトランプが放棄すると、中国をリーダーとする別の体系がいよいよ浮上し、世界は細切れ多極化していくだけだ。今や、上記<1>の西側安保体制の再調整の時期であると同時に、国連以下の国際体制を再調整していく時代だ。
・・・しかし、しかし、トランプはそれでは時間もかかり、自分の手柄にしにくいので、得意の一対一Dealに走り、MAGA信者にアピールしようとするだけなのだ。
・・・世界が、欧州、日本、中国、途上国、そして米国と、バラバラ多極化して、最も損をするのは、戦後、調整しながらも、米国覇権体制を維持しメリットを享受してきた米国であり、そのおすそ分けを得てきた、欧州・日韓台などである。
・・・更に、トランプは貿易赤字を投資のドルが埋める米国の特権構造を理解せず、貿易赤字は「米国がぼられている」と言う。
◆ しかし、しかし、今のトランプは、西側が束になっても、止められそうもない。トランプとMAGA信者と一緒に、西側が沈没していく。残念無念だが、それが現実であろう。  Nat

★人類の歴史に逆行アガキをするトランプ ----その①----医薬品高関税

★米トランプ大統領が、世界から輸入する医薬品に100%もの関税をかけると発表したようだ。・・・流石に、ジェネリックの普及品は除外のようで、値の張るブランド物と特許品対象のようだ。
◆これで、トランプの志向していることが、いよいよ分かる。
・・・米国は、ハイテックIT,高度金融、高度医薬品/バイオの世界一の先端技術国である。それで食っている国だ。
・・・しかし、製造を伴うIT(半導体やITデバイス)と医薬品は、米国内では研究開発・設計という「頭脳ワーク」が中心で、「製造」は米国内はもう余りやっておらず、基本的に、部品・素材を世界各地で作ったものをグローバルサプライチェーンで調達、製造も海外というのが基本だ。
・・・具体的には、医薬品の場合、原薬(Active Pharmaceutical Ingredients, API)や中間体、原料化学物質を作っている国や地域で最終商品にする構造であることから、米国はアイルランド、スイス、ドイツ、シンガポール等で製造したものを輸入している。アイルランドは多くは米国の製薬メーカーの子会社。或いは人件費要素の比較的大きなものは、インドや中国で製造し輸入だ。
・・・ところが、実は、これ等の医薬品のサプライチェーンの頂点には、米国の研究開発、高度の技術力を支える「米国内の頭脳産業」が存在しているのだ。
・・・つまり、米国には、世界トップクラスの製薬企業(Pfizer、Johnson & Johnson、Merck、AbbVieなど)が多数ある。これら企業は基礎研究、創薬、臨床開発、特許戦略の大部分を米国国内で行っている。つまり、新薬の分子設計、薬効評価、臨床試験デザインなどの高度な知的作業はほとんど米国内で進められているのである。
・・・つまりだ、サプライチェーンの「頂点」には米国の頭脳企業が存在するケースが多く、仕入れ・製造の途中にアイルランドなどが介在しているに過ぎない。
・・・ハイテックITでもそうだ。核心的最先端新技術は米国内で超優秀な最先端の頭脳技術者が生み出す。しかし、部材を仕入れ、製品に加工するのは、海外でやるのだ。
◆ つまり、米国は、IT,金融、医薬品などの一番の「高度頭脳」の部分を握り、そこで付加価値を付け、そこで市場を支配し、儲けるのだが、仕入れ・製造サプライチェーンは、世界各地で最適体制を敷いているのだ。仕入れ・製造で付加価値がつくのではなく、研究開発・企画・設計と言う頭脳部分が米国の付加価値なのだ。
・・・そして、先進国の人類は、皆、この方向に向かうしかない。所詮、今後、AIの時代で、AIにできない「頭脳」産業だけが先進国に残る。
・・・それを、既に、先進国の中で、一番進んでやっているのが米国だ。
・・・その分、商品の貿易では、トランプが問題にしているように、当然大きな貿易赤字であるが、米国は、それで世界中に支払ったドルを、投資資金として、米国に還流させて、回している国なのだ。世界最大の基軸通貨ドルの発行国であり、かつ、戦後、常に経済・安全保障の西側リーダー役を果たしてきたからこそできることなのだ。・・・この点、次回にもっと書きたいが。
◆しかし、この仕組を真に分かっていないか、分かっても関心の
低いのがトランプなのだ。
・・・IT・金融・医薬品の「頭脳」部分の層は、彼のMAGA信奉者ではないからだ。MAGA信奉者は、米国、あるいは、先進国では所詮要らなくなっていく伝統的製造業の労働者層である。
・・・その層に今一瞬の幻想を与えて、中間選挙を勝ち抜こういうのがトランプの作戦だが、経済原理としては超「無理がある」。米国内で出来るだけ自己完結できるサプライチェーンなんてのは、どだい無理があるからだ。
1)日鉄が買ったUSSの製鉄業: 原料の鉄鉱石も原料炭も、米国内に一応あるので、高関税で鎖国しても、米国内の自己完結サプライチェーンは何とか可能ではある。
2)自動車: サプライチェーンは、特にメキシコ・カナダの関連業者を大きく含んでいるので、15%関税程度では、国内製造の復活はなかなか無理がある。今のところ、日本などの輸出者が値下げで関税を吸収しているからいいものの、中期的に、米国内製造への復帰は、そう簡単に起こらない。
3)医薬品: 自動車以上に、もっと、世界中の色々なプレーヤーが絡むサプライチェーンだから、米国国内に製造工場作れ、と言っても、全く無理がある。
・・・だから、今回、100%という異様な高関税率にしたのだ。米国内で最終製造するサプライチェーンに無理に変えると、
非常に高いものにつく。恐らく、米国内で無理に仕入れて製造すると、価格は80%とか、高くなるしかないだろう。しかし、関税が100%なら、無理して80%高いコストとかで、国内製造した医薬品の方が、まだ安いということになる。医療業界や患者団体は、だから大きく懸念しているが、関税100%にまでしたら、少しだけ、国内製造は戻るかもしれない。・・・そして、トランプはしまいには、医薬品関税は250%にまでするかもしれないとすら言っているのだ。
◆ 上記の通りだから、この医薬品100%関税策も、米国国民全体にとっては悪夢でしかない施策だろう。しかし、ラストベルトのMAGA信奉者は、またこれで、トランプに喝采を送るのだろう。・・・人類史上に残る悲劇ですらある。   Nat

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<加筆:9月26日23:30>
★★しかし、以下のBloombergの解説によると、実際には、関税適用からの除外条件として、米国に製造拠点を既に持っているか、建設中であることとしているのがポイントで、米国への輸出者(多くは米国の製薬会社の子会社)は米国にもともと製造拠点を持っているから、多くのケースでは実は関税除外になるのではないかという。条件発動の詳細が不明だが。
・・・なら、これまた、トランプのトークショーでしかなく、実害はないことになる。
・・・しかし、私のメインのポイントは、医薬品の場合の実害の有無論ではなく、米国の企業の事業が世界のサプライチェーンにより最適化されているにもかかわらず、トランプはMAGA信奉者への受けだけで、米国の最適体制に逆行する話ばかりを打ち出すという点にある。・・・所詮多くはトークだから、実害の少ないものもある。Bloomberg

<加筆:9月27日9時> ★更に、その後の報道では、日本や欧州からの医薬品は100%を15%に軽減するのではないか、とも言われているので、そうであれば、いよいよ、この政策はMAGA信奉者へのジェスチャーとも思われる。しかし、高関税でグローバルサプライチェーンの歪めてでも、米国での生産をさせたいというトランプ発想の例であることには変わりない。〆

<加筆:9月27日16時>
★★日経新聞の夕刊に、トランプの医薬品関税は、肝心の欧州に対しては15%に留めることの報道と共に、スイスのロシュ、ノバルティス、そして英国のGSK、アストラゼネカの米国への新たな投資の計画のリストを掲載している。
・・・日経でも、英アストラゼネカのコメントとして、前から数年かけて計画したもので、トランプ関税への反応ではないと言っていることを書いている。
・・・その通りで、これら各社の計画は、世界最大の医薬品市場である米国、そして、最先端の医薬の研究開発のメッカでもある米国内に戦略的に必要な部分の製造機能、R&D機能を強化するもの、特にGSKの場合は、それもAI活用のバイオ薬品供給の仕組をAI最先端の米国内に作るものだ。
⇒GSK: GSK
⇒AZ:AZ
・・・しかし、勿論、トランプ政権は、これ等も関税政策の成果だと吹聴を始めている。
・・・欧州のこれらの製薬会社が米国の拠点をこのように強化することは、別に米国の拠点だけを強化するものではなく、彼等の世界におけるサプライチェーン、R&D体制の最適化の中でのことなのだ。つまり、米国だけの最適をしてほしいトランプの願いとは、次元の違うことなのだ。
・・・そして、それが何よりも分かるのは、結局、肝心の欧州の医薬品に対して、トランプが15%しか関税をかけないことだ。かけていては、サプライチェーンが立ち行かないことを流石に分かっていることの証左だろう。100%は結局、インドや中国になる。
・・・いかにも見せかけだけのトランプの医薬品関税策でしかない。やはりMAGA信者に見てもらうための芝居であると私は思う。  〆

★英仏らのパレスチナ国家承認―――その③――なぜ日本ではハマス追放を語らないのか?

★その②で述べた9月12日のガザ戦争に係る国連総会決議だが、9月14日の日経新聞報道で、日本も賛成(米・イスラエルは反対)したことを報道、決議の中身については:「①二国家共存しか解決策はない」、「②ただちに終戦」、そして、ハマス問題については、「③武装解除と、ガザ地区統治を、パレスチナ自治政府に移譲すること」と書いている。
・・・しかし、昨日から私が言っている通り、③の意味の解説と言う、日本国民の本問題の理解のために必須と思われる点を書かないのだ。
◆ 自治政府・ファハタとハマスの対立は、本問題を難しくしてきている事だが、NY宣言でのサウジなども、そして、今月の国連本会議でも、多数の国が、いまや「ハマス追放」で一致している。
・・・しかし、この点につき、日本の報道は、苦手なのだろう、積極的に述べないのだ。
・・・国連決議3項目のうち、最初の「①二国家共存」は、空想的だが、いわば美しい話しであり、また「②即時終戦」も皆が言うことだ。日本政府や報道が語り易いことだ。
・・・しかし「③ハマスのガザからの追放」は、日本政府もハマスをテロリスト集団と認定はしているものの、それだけに留まり、報道であまり取り上げない感がある。そして、上記の国連決議についての解説にも、その点が入ってこない。
・・・そもそも、ハマスと、PLO内主流派のファハタは対立してきているのだが、2006年のパレスチナ立法評議会選挙で、市民のファハタの腐敗への嫌気がある中で、ファハタの勢力を弱めたいイスラエルの工作もあったと言われているが、選挙初参加のハマスが単独過半数の議席を獲得する地滑り的勝利を収めたのだ。しかし、その後、ハマスとファハタは武力衝突に発展、ハマスが、ガザ地区を武力的に実効支配したのだ。エジプトとイスラエルはそういうガザ地区を封鎖。と言うことから、最早、評議会も機能せず、パレスチナは西岸にいる自治政府(ファハタが主力)とガザにいるハマスで2分されているわけだ。
⇒ この経緯を受けて、2023年10月にハマスのイスラエルへの特攻・無差別殺人・捕虜収奪が起こる。それで始まった今般のイスラエル・ハマス間のガザ戦争だが、今回の国連決議で、イスラエルにはヨルダン川西岸入植活動の停止を求めつつ、ハマスには「ガザ地区の支配をやめ、パレスチナ暫定自治政府に武器を引き渡すよう」求めた。このように明確にガザからのハマス追放を求めた点は、重要なのである。
・・・しかし、日本政府も日本の報道機関も、そのようなハマスについては、何故なのだろう? 苦手意識があるのか? 積極的に語ることを避け、国連本会議で圧倒的多数が賛成した決議に日本も乗っかることが精々だったのだ。
・・・なぜ、避けるのか、私にも今ひとつ釈然としない。
・・・しかし、政府と報道が避けるから、日本国民の理解が進まないのは、残念ながら事実だろう。 Nat
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