♪♪ NATの独り言 (心・ジャズ)

生きていく上で信じてること。大好きなジャズのこと等

2023年10月

★いま一度、超・迫害の民、そして神の民のユダヤ民族

★今、世界中に「自制を!」と呼び掛けられているイスラエル。
・・・ 日本人、日本のメデイアからすると、イスラエルは「超・身勝手な国」しか見えない。
・・・ 何度も書いてきた通り、1947年に国連によるパレスチナの2分割。それでアラブ・パレスチナ民族とイスラエルが平和共存するかと言えば、勿論、そこからこそ、解決不能な永遠の抗争が始ったのである。しかも、それは表面的にしか現象を見ない日本人からは、イスラエルの横暴にしか見えないのだ。
・・・国連のパレスチナ分割の1947年の翌年1948年のイスラエル建国以来、イスラエルは機会あるごとにパレスチナ全域を自国領にしようとしてきたから、そうにしか見えないのだ。
・・・1948年以降、4次の中東戦争を戦ったが、1967年6月の第3次中東戦争の「6日戦争」では、イスラエルが圧倒的勝利を収め、シナイ半島、ガザ地区、ゴラン高原などを占領。しかし、その後、第4次戦争の後に、まずシナイ半島を返還、そして1993年オスロ合意でゴラン高原からの撤退、また、ヨルダン川西岸とガザ地域におけるPLO自治政府の自治を認めるなど、両陣営の平和共存が始ったかと思われた。しかしそこから、国連による数々の非難決議が出ている通り、イスラエルの強引な入植・支配地拡大が続いてきている。
・・・もうそこだけでは、イスラエルは「超・身勝手な、ならず者国家」にしか見えない。
・・・しかし、G7の日本以外の6カ国、それとロシアからすると、全く違う風景が見えているのだ。ユダヤ民族の歴史を知り尽くしているからだ。皆、キリスト教で旧約聖書のユダヤ民族の悲劇と神の関係を知っている。中世~近世の欧州でのユダヤ民族への迫害を知り尽くしている。そのどちらも良くは知らない日本人とは、全く見えている風景が違うのだ。
◆ だから、又ここで書くのだが、同じ身勝手・ならず者国家のロシアとイスラエルはまた全然違う。
・・・ロシアは、以下の私の7月12日の拙文の通り、西方の欧州に領土を拡げようと武力行使、侵略を繰り返してきた「侵略の歴史」の国なのだ。西側への劣等感、自然環境の優れない領土が国土で、特に西や南の不凍港の確保のために侵略を試みてきたのだが、兎に角、純粋に侵略国家である。拙文
・・・これに対し、ユダヤ民族の歴史は、世界でも珍しいほどの「民族まるごと」滅ぼされた歴史を繰り返してきているという特異性に加えて、だからということもあるが、ユダヤ民族を支え、時に滅びのシナリオをも与える「ユダヤの神」が背景にある。ロシアの侵略とは全く構造が違うのだ。
◆ この点、先ほど書いた通り、日本人だけは殆ど知らない。一方、G6とロシアは忘れたいくらいに辛く知っている。この違いがスゴイのだ。だから、ここで、私がまたまた書くことになる。
【聖書のユダヤ民族】
・ユダヤ民族の始祖であるアブラハム:メソポタミアにいたが、ユダヤの神の導きで、約束の地カナン(今のパレスチナ・イスラエル)に導かれそこに民族の拠点を構える。
・アブラハムのひ孫の代にカナンの地は大飢饉になり、一族は皆、エジプトに避難。エジプトで奴隷になる。
・モーセの時代に、ユダヤの神の導きにより、民族全体がエジプト脱出、約束の地カナンに攻め入り、そこに住んでいたパレスチナ人を駆逐し、イスラエルの国を作る。
・BC720 年頃、北半分のイスラエル王国(南はユダ王国)がアッシリアに滅亡され、ユダヤ民族10支族が世界に散る。
・その2百年ほど後に、ユダ王国もバビロン(いまのイラク)に征服され大多数のユダヤ人がバビロンに連行(捕囚)される。数十年の捕囚の間に「ユダヤ民族が神を忘れたからか? ユダヤ民族が悔い改めるなら、神が再び支えるだろう」との強い信仰が生まれ、旧約聖書に書かれる。その後、バビロンが滅び、ユダヤ民族はカナンの地に戻る。
・イエスの頃はローマの属国になり、その後、2世紀にローマによって滅ぼされ、カナンの地のユダヤ国家は消失、ユダヤ民族は欧州などに霧散(ディアスポラ)。
【欧州でのユダヤ民族への大迫害】
・早くから、欧州にいたゲルマン民族などに嫌われ「キリスト殺しのユダヤ人」として迫害を受け、11世紀の十字軍では、十字軍による民族集団殺害に合う。
・中世以降では、金融・商業に携わり、余計に嫌われ、次第に追われて東欧・ロシア方面(東方の正教のほうが未だ寛容であった)に移住、しかし、当欧・ロシアでもゲットーに封じ込められる。
・19世紀にユダヤの神の国の復興運動(シオニズム)が起こると同時に、ロシアなどで迫害が激化、特に米国に難民避難。欧州全体のユダヤ民族約2千万人のうち、20世紀初めには、米国に450万人が移住、うち200万人はロシアから。
・そして、遂にWWIIでナチスのホロコースト。多くのユダヤ人の住んでいたポーランドに、アウシュビッツを初めとする5か所の絶滅収容所を作り、5収容所で計270万人、それ以外も入れて総計6百万人が、東欧・ロシアで虐殺された。米国に数百万人逃れても、なお欧州全体で1千数百万人のユダヤ人がいた中で、6百万人が銃やガスで惨殺されたのである。これは現代にまでユダヤ民族の心の中に深い傷を残している。
・生き残りの千万人の半分が、戦後パレスチナに出来た新イスラエルに移住した。6百万人のホロコーストの傷を心に秘めて。
【無理やり作ったイスラエル】
・もう字数がないが、英米のエゴで戦後、パレスチナに人工的にイスラエルを作った。しかし国連が決めた地域分割では、ユダヤ人の信仰のふるさと(カナンの地の中心)はヨルダン川西岸のパレスチナ側になったのだ。エルサレムだけは例外的に街を分割したが、アブラハムの墓のあるべブロンも、ダビデ王の町ベツレヘムもパレスチナ側になった。
・3~4千年の神のご計画で、漸く、約束の地カナンに再び「ユダヤの神の国」を米英が作ったが、無理に作っているので、ユダヤ人からすると、全面的に取り戻すのが「神の御心」なのだ。だから、1967年の6日戦争では、創世記に神がこの世を6日間で創ったと書かれている如く、ユダヤ民族は6日間で全体を取り戻したのだ。・・・この神の戦いを、今日もやっているのがイスラエルだ。
◆ 理解しても、イスラエルに組みする必要はない。しかし、日本は先ず、歴史と背景を理解して、なぜ米欧が複雑な心情でイスラエルのことを見ているのかも理解し、その上で、日本独自の人道路線を打ち出すべきなのである。  Nat
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★もともと、ガイジン起業家が来ない日本

★日本も、ガイジン起業家がもっと日本で起業し易い制度に!という、悲しい記事が日経に出ている。
◆ 日経が書いている通り、Googleの創業者二人はユダヤ系で、特にセルゲイ・ブリンは1979年にソ連から米国に移民してきたユダヤ人ファミリーの一員だった。テスラのイーロン・マスクは米英系の血筋だが、南アから移民してきた。
・・・Facebookのマイク・ザッカ―バーグは曾祖父の時代に欧州から移民してきたユダヤファミリーである。
・・・このように、米国の今や大企業になった新興ビジネスが、米国に移民してきた、特にユダヤ人によって起業されているのは、その通りだ。
◆ そして、日本では、ガイジンが起業するのに、日経の書いているとおり、まず「在留資格」が取れないなど、ありとあらゆる障害があるのも事実だ。
・・・しかし、それを言っては、元も子もなくなるが、そもそもGoogle創業のセルゲイ・ブリンらが、欧州を脱出し、米国移民したのは、それが米国だからだ。世界で、近代になってユダヤ人移民700万人も受け入れた国は米国しかない。米国という自由資本主義経済・社会を本気でやってきた国は世界で稀有なのだ。
・・・それなしでは、米国移民もなく、GoogleもFacebookも、あるいはAmazon(Bezosはデンマーク人移民でユダヤではないが)も、Teslaもなかったのだ。
◆ 一方の日本。
・まず、ガイジンの前に、日本人にとっても、ベンチャーがやりにくい国なのだ。特に戦後は、寄らば大樹の陰で、大企業、財閥企業に属するのではないと一人前の人間でないみたいな社会になった。ベンチャー起こそうとする人間は、そこからの脱落者扱いだ。そして、一旦失敗すると、銀行含めた社会の体質上、二度と敗者復活できない。・・・だから、日本のベンチャーは、思いつきビジネス程度のものが殆どで、ユニコーンの事例は世界でも異様に少ない。
・そこに加えて、ガイジンが日本の社会に根付くのを嫌う体質がある。インバウンド旅行者はいいが、隣の家に住まれるのはイヤなのだ。日経記事によると「OECDによると、起業家の魅力度評価で日本は多国籍企業の数、税制、国籍の取りやすさなど30項目以上の分析をした結果24カ国中21位にとどまった。」とある。そうだろう。ガイジンに来てもらおうという意思がないのだから。
・日経は、最後に日本語の壁を書いている。これは、実は、日本語の壁ではなく、日本人の「英語力 サイテー」の方に、半分以上、問題の本質があろう。北欧のように、自国語が特殊な言語でも、国民が皆英語も出来る国なら、ガイジンに抵抗感はない。日本の問題は、日本語の問題ではなく、日本人の英語教育が受験英語でサイテーなためであろう。
◆ 斯く斯様に、残念ながら、日本はガイジンが来てベンチャー起業しようと思う国ではない。日経が書いているような在留資格の条件緩和など、してもいいが、日本は本質的にガイジンがベンチャー起業したい国でない。所詮、島国ガラパゴス・閉鎖社会だからね。  Nat

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★ガザ危機へのアラブ側対応に、更に疑問

【ガザ危機へのアラブ側対応に、更に疑問】

<そして、イスラエルに武力自制を求めるなら、その分、ハマスの人道犯罪を国際刑事裁判所等で落とし前つけさせろ!!>

★一昨日、昨日と、アラブ諸国が国連総会に提出し可決された「イスラエル批判決議」に対し、著しく「アラブの正義」に偏っていること、そして日本は、「アラブの正義」でも「イスラエルの正義」でもなく、「人類の正義」の観点からの決議案をリードして欲しかったと書いた。・・・はっきり言って、日本はそういう「柄」ではない国なのだが、だからこそ、そういう国としての外交に一歩踏み出して欲しかったのだ。
◆ しかし、以下の今朝の日経報道の通り、もう世界は「イスラエルのガザ侵攻阻止(あるいは休戦)、ガザ市民の人道保護」一色である。まだ、イスラエル自身とユダヤ人社会である米国だけは、「イスラエルの正義も!!」と叫んでいるが、それは、もう「アラブの正義」のシュプレヒコールにかき消されている。
しかし、私は改めて言いたい。ダウンロード (10)

・・・アラブ側の主張は:
① イスラエルが、10月7日にハマスに大虐殺攻撃・市民拉致をされたことを一切無視し、かつ
② イスラエルがハマスが再び同様の攻撃をイスラエルにしない為に、ハマスの戦力を砕こうとする(殲滅出来るか別だが)国際法上の自衛権については完全無視なのである。要は「ハマスを守れ」というのに等しいのだ。
・・・アラブの①の、ハマスの10月7日の攻撃は「多年に及ぶイスラエルの占領・入植・封鎖などの悪業の報いだから、イスラエルは何されてもひと言も文句言えない!」という論理だ。
・・・アラブの②は「ずっと苦しんできたガザ市民の人道危機だから、イスラエルはこの際、一切ガザに侵攻するのは許されない」という論理だ。更に、ハマスは応援すべき「アラブの正義の旗手」なのであろう。
◆ これでは、絶対に独善・超バイアスだ。しかし、アラブは、この論理を変えない。
・・・なら、日本などの「第三の勢力」「人類への罪を憎み、国際法を徹底遵守する立場」からは、以下を主張すべきではないのか?
1)もう一度言う。10月7日のハマスの大虐殺・拉致は絶対に「jン類への罪」であり、断固糾弾すべきだ。どんなにハマスに理由があっても、関係ない。人類には、大虐殺を正当化する理由は一切ない。
2)そして、アラブや他の国が、イスラエルのガザ地区侵攻を止めるように求め、ガザ市民の命を守れと主張するなら、戦争以外の手段でハマスの「人類への罪」を裁くべきだろう。
⇒ 即ち、もし卑しくもイスラエルに「ガザ侵攻などするな」というなら、10月7日に人類への罪を犯したガザのハマス幹部には、国際刑事裁判所への出頭を求める等、戦争以外の手段で、人類社会としての厳しい対処を求めるべきであろう。そしてアラブは、ハマスを国際裁判に出させるための圧力をかけ、アラブも人類の正義を追求する人たちであることを世界に見せて欲しい。
・・・もし、国際裁判が難しいなら、国際社会は、少なくとも、ガザ人民を退避させた上で、イスラエル軍がハマス部隊だけと決戦を交えるための場を整備するなど、イスラエルがガザ市民人権と自衛権行使を両立できるような具体的方策に励むべきであろう。・・・それなしに、「イスラエルは悪者、ガザへの自衛権侵攻も絶対NG、イスラエルは大人しくしているのでいのだ」としか言わないアラブは、独善的「アラブの正義」を人類に押し付けるものだ。・・・日本は、イスラエル・米国に組みするものでなく、そういうのに対しては「人類の正義」から毅然とモノ申すものであってほしい。 ・・日本も「ハマスの残虐な攻撃は非難すべきだ」までは言ってきた。しかし、それに対して、「ガザへの武力侵攻によるハマス殲滅攻撃で落とし前を!」というイスラエル・米国とは一線を画し、「国際人道裁判で!」などと主張する「第三の道」を採るべきだ。しかし実際には、ただただ逃げ隠れしているのが日本なのだ。
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★今回のアラブ側国連決議を原文でチェックしてみた

★10月26日の国連総会でのガザ問題の決議。ダウンロード (10)
・・・国連総会決議の原文を見る時間がなかったが、漸く、今、見れた。
・・・なかなか日本の報道では、そういう解説などもないように思うので、私がざっと見た範囲でのコメントを書いておこう。
【1】まず、原文は以下の国連のサイトで見れる:
・・・決議「A/ES-10/L.25」である。
【2】まず、国連総会会議と言っても、年次総会もあるが、今回のは Emergency special session(緊急特別会議)である。何か世界に重大な事件が発生した時などに開催される形式をとっている。
・・・そして、軽々しく頻発されない為にも、以前に開催された、具体的なテーマでの緊急特別会議の「続き」の形をとるものもある。
・・・今回のものは、原文のフル・テキストを見てくれれば分るが冒頭に書いてある通り、「Tenth emergency special session
Agenda item 5 - Illegal Israeli actions in Occupied East Jerusalem and the rest of the Occupied Palestinian Territory」という建付けになっているのだ。・・・つまり、国連でずっと非難してきたイスラエルの不当な占領・入植問題を採り上げる「第10次緊急特別会議」の続編なのだ。・・・原文を見ないと、そういう建付けは分らなかったが、それは重要な点であろう。
(※この10次特別会議についてはUNの以下サイト参照:
・・・即ち、先般ここで書いた通り、国連事務総長が「ハマスの暴虐行為には、(国連が度々非難してきたイスラエルの占領・入植問題という)背景がある」と言ってしまったように、国連の歴史でのイスラエル・パレスチナ問題というと、圧倒的にイスラエル側の強引な占領・入植への非難である。
・・・そして、今回の総会決議は、良く見ると、その「続き」の形態を採っているのだ。
・・・そして、今回の決議の前文部分に、従来のイスラエル非難が圧倒的に多い諸決議が「Recalling the relevant resolutions of the Security Council」として引用されている。
⇒ もうこの形式からして、そもそも、この決議案は、初めから「イスラエル非難決議 ”続編” 」であることが分かるというものだ。 
【3】そうなると、決議内容はもう知れているが、このヨルダンなどアラブ側主導で纏めたこの決議は、以下のような内容なのだ。
(1) 「参考」に過ぎない前文の部分にだけ、「Expressing grave concern at the latest escalation of violence since the 7 October 2023 attack」と、誰がやった攻撃か書いてないが、一応ハマスの10月7日の攻撃に触れているが、その触れ方は「それ以降の状況エスカレに懸念」という形で、ハマスの10月7日の虐殺などよりも、その後のイスラエルの報復による事態悪化にのみ懸念を表明している形なのだ。
(2) その上でイスラエル側が展開しようとしている反撃行為や封鎖、市民退避要求を非難する諸項目を列挙しているが、ハマス側に要求することについては、唯一「7. Calls for the immediate and unconditional release of all civilians who are being illegally held captive」と、ハマスか誰か書かずに「市民の非道な人質の無条件解放」を書いているだけである。
◆ もうどう見ても、最初から最後まで、冒頭に国名のある通り、アラブ・イスラム諸国(+ロシア、北朝鮮、南ア、キューバ)による「イスラム・ユダヤ糾弾決議 兼 ガザのパレスチナ市民の人道だけを憂慮する決議」である。 著しいバイアス決議としか言いようがない。
・・・だから、勿論、米国・イスラエルらは、反対した。
・・・日本、英国、カナダ、ドイツ、イタリア、インドなどは「棄権」である。
◆ 私はもう一度言う。日本は、イスラエルとパレスチナの数十年の抗争、そして、国連が何度も非難してきたイスラエルの不当な占領・入植の歴史にも拘わらず、一旦その積年の抗争・対立・恨みは置いておいた上で、10月7日にハマスがイスラエルの子どもの首まで刎ねて冒した大虐殺の「人類への罪」を強く糾弾し、同時にイスラエルの非人道的な反撃には同じく強く釘を差す、そういう日本独自の決議案を出してほしかった。「アラブの正義」でも「ユダヤの正義」でもない。「人類の正義」だ。勿論出しても、否決されたであろうが、日本の新しい姿を打ち出してほしかった。  Nat

★日和見の日本政府にモノ申す - 日本には義憤はないのか!

★イスラエル・ガザ問題の国連総会決議。
報道:報道
・・・私はずっと、日本は人道主義を中心にバランスのとれた決議案を率先して提出すべきと主張してきたが、結局、日和見で、且つ最終的には「棄権」になってしまった。非常に遺憾である。
● 安保理事会は機能不全なので、今回も総会決議。しかし、誰が提出した決議案かは重要なのだが、今回承認された決議案は、アラブ代表のヨルダンが出したものだ。
・・・内容は、要するに、ガザ地区の市民への配慮で、即時休戦、人道措置を求めたものだ。
・それに対して、カナダが、幾らなんでも、それでは・・ということで、7日以降のテロ攻撃と人質拘束を名指しで非難する修正案を出したが、これは可決に必要な3分の2に届かず否決だ。
◆ 私がずっと言っている、本来あるべき国連決議は、①ハマスのイスラエルへの非人道的大量虐殺と拉致を非人道の極致として非難しつつ(イスラエルの国連憲章上の自衛権も認めていいと思うが)、②イスラエルの報復措置がガザ地区での更なる非人道状況に繋がらないよう、人道的国際法の徹底遵守を求め、その上で、③今回決議されたガザ市民への人道措置を主張、というものだった。
◆ カナダが修正動議を出す前に、日本がもっと積極的に「ガザの人道危機だけではなく、ハマスの残虐行為も見逃してはいけない」とを提起していれば、もしかして、風向きが変わっていたかも知れない。しかし、日本は、ヨルダンの決議案に対して、結局、カナダなどと共にだが、棄権、などいう日和見立場に終始したのだ。
◆ 勿論、短期的な利害、損得で言うと、日本はアラブから石油も買っているし、日和見が得策ということはある。
・・・しかし、私の意見は違う。
・かつて中国・東南アジアに侵攻した日本だ。戦後は米国の従属国家となり、エコノミックアニマル一筋、湾岸戦争でもお金だけ出して誤魔化した。
・そんな日本が、こと人道問題では、必ずしも欧米べったりではなく、自らの信念で、国連でも立ち上がる国であることを示すことには、意味あると思う。
・「情けは人の為にあらず」的に言うと、ここで日本が毅然たる態度をとり、人道危機には立ちあがる国、そして、ハマスのような非人道攻撃をする国には強く非難し一定の反撃もあり、という毅然たる考えを強く打ち出すことが、極東で日本への侵略があった場合の日本の自衛の戦いを世界が支持することにもつながるのだ。
◆ だから、今回、日本は外務大臣を国連に派遣してでも、自らのポジションを主張して欲しかった。
・・・しかし、政治家は、皆、姑息な日和見主義者のようだ。残念だ。 Nat

図表(国連総会、ガザ「人道休戦」の決議採択 日英など棄権)_DSXZQO4013301028102023000000
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